ハーレクイン・シリーズ
月影の水都
もう誰にも心を開かないと決めたのに、彼のまなざしに決心が揺らぐのはなぜ?
ここなら死に場所にふさわしい。薄れゆく意識の中で、ジュリアは思った。復讐心に燃えてベネチアまで来たものの、もはや力尽きた。真冬の石畳の上で凍え死ぬほかない……。そう観念したとき、月影に照らされて一人の老人が現れ、古びた宮殿に彼女を連れていって介抱してくれた。老人の心遣いと、宮殿の所有者ビンチェンツォの優しいまなざしに、思わずジュリアは心を許しかけた。しかし、あわててそんな自分を押しとどめた。わたしはもう二度と、誰も信用しないと決めたのだから。
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2006年02月05日
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- 著者
- ルーシー・ゴードン
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- 訳者
- 竹原麗
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- 定価
- 704円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 4-596-21802-1
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- 書籍番号
- I-1802
読者レビュー
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これまでRITA賞を二度も受賞した実力派ルーシー・ゴードン。今回の作品は、つらい過去のせいで心を閉ざすようになったヒロインが、温かい心を取りもどしていくストーリー。読み終わったときには、せつなくも前向きな気持ちになれること、請け合いです。