ハーレクイン・シリーズ
招かれざる者たち
狂気と混乱に満ちた侯爵邸で、ひそかに恋の歯車が動きだす。
ウェストハム侯爵モーガンは、五年間の田舎暮らしに終止符を打ち、来る社交シーズンに合わせてロンドンの屋敷に戻ってきた。執事をはじめ、使用人たちはわたしの帰還を心から喜ぶだろう。そう思っていたモーガンだったが、屋敷の実情を知って愕然とした。なんと使用人たちは屋敷を開放し、見知らぬ人々を住まわせていたのだ!居候は全部で六人。その中の一人がエマ・クリフォードだ。社交界デビューを控えた娘で、美しい容貌はひどく悩ましい。エマに魅了されつつも、侯爵はすぐさま六人を追い出そうとした。だがすでに賃貸料を払っていた彼らは、出ていく気など毛頭ない様子。かくして、モーガンにとって波乱だらけの社交シーズンが幕を開けた。
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- 頁数
- 360頁 / 新書判
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- 発行日
- 2007年05月05日
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- 著者
- ケイシー・マイケルズ
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- 訳者
- 江田さだえ
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- 定価
- 1,026円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-74142-4
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- 書籍番号
- HSX-2
読者レビュー
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lunatic
勘違いなら申し訳ないのだが、なぜこのタイトルが電子書籍のみでの復刊であり、しかも古めかしい表紙のままなのか? この小説はリージェンシーという枠を超え、優れた群像劇として高い評価に値する。ヒーロー&ヒロインの恋というハーレクインの主軸は保ったまま、二人の周囲をめぐるキャラクターが織りなすドタバタを鮮やかに、面白おかしく描いている。貴族という身分の割に軽々しい行動が目につくきらいはある。しかし、個性的な人々のユーモアにあふれた会話、思わず笑いを誘う言動に惹き込まれ、あっという間に読み終えてしまう。読んでいる間に当時の舞踏会の情景が目に、鼻孔に、味蕾に体感するような臨場感もすばらしい。著者の手によるほかの作品も、読み尽くしたいと感じた。
実力派作家ケイシー・マイケルズがお届けします。RITA賞ヒストリカル長編部門ファイナルリストにも選ばれた本作は、すてきなロマンスと遊び心がたくさん詰まった一作です。どうぞお楽しみください!