ハーレクイン・シリーズ
高級ギフトショップ〈ベリッシマ〉を経営するジアンナは、ある日、夫ラウルから受けた電話に顔が青ざめた。3年別居する夫とは、そろそろ離婚の手続きにかかるつもりだが、折しも夫の母が末期癌と判明し、ジアンナに会いたがっているという。ラウル――本当は今でも心から愛する私の夫。彼とは数年前、偶然訪れたマヨルカ島で出会って恋に落ちたが、結婚後、夫の情熱はすぐに失われてしまったのだ。もし今マヨルカ島に戻れば、忘れかけていた悪夢が甦るだけなのに。なぜ今ごろ、名ばかりの妻である私が呼ばれたのだろう。ジアンナはいぶかったものの、出発を決意した。
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2012年02月05日
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- 著者
- ヘレン・ビアンチン
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- 訳者
- 田村たつ子
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- 定価
- 723円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2012年01月27日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-12700-6
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- 書籍番号
- R-2700
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モニター
題名からも分かるとおり壊れた夫婦の再生の物語です。ハーレクインの中では王道のストーリー。でもだからこそ難しいテーマで、ありがちな展開になりがち。しかしどこかで読んだ話にはなっていないのは作者の力量でしょう。2700号記念にふさわしい物語でした。ヒロイン、ヒーローのお互いを信頼する姿、理性的な姿に感銘を受けました。お互いを思いやる描写も自然でさすがだなと思うシーンもあり、本当に素敵な夫婦愛でした。
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モニター
HQなのだからヒーローに恋人としての憧れや羨望を持たなくてはいけないと思いつつ、こんな息子が欲しい!と思ってしまいました(笑) 愛情と忍耐と、強靭な精神力で妻と実母を寡黙に見守るヒーローは完璧過ぎです。しかしこんな男性に庇護される家族は幸せでしょうね。読み終わったあとにカップルの愛情とともに、家族の愛情にもジーンとくるものがあります。
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モニター
HOT! HOT ! HOT!! とても熱かったです。何がって、二人の熱い思いにあてられっぱなしでした。深く強く相手を思い過ぎると、その気持ちを言葉にして伝えることはできなくなるんですね。でもやっぱり言葉にして、ちゃんと会話することは大事ね、ラウル。ジアンナも言いたいことはちゃんと言わないとダメね。シエラは黙っておとなしくしていなさい。一気に読破した時には、気分はすっかりテレサになっていました。
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モニター
どんなに愛し合っていても、離れることを選択したジアンナとラウル。運命の残酷さを感じました。でも、義母の病気で再び絡み合った二人の運命。なかなか心の扉を開こうとしないジアンナに、ラウルを信じてあげてと思わずにはいられませんでした。3年の時を経て、成長したヒロインが、自分の心に正直に向かい合おうとする姿に、ぐいぐい惹き付けられました。最初の1ページから最後の1ページまで、ヘレン・ビアンチンの世界に浸れます。
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モニター
ある誤解がもとで、ヒーローと別居中のヒロイン。ヒーローの母親が末期がんでヒロインに会いたいといってるからと遠く離れたスペインに呼び寄せられます。こういった話の場合、イジワルな家族がいたりしがちですが、今回はいい人ばっかりです。義母や義母の友達などもみんなヒロインの見方。ただ一人、元カノだけは異常に嫌がらせをしてきます。“お互いが好き”って言っちゃいないのにと、じれったくなり先へ先へと読み進めてしまいました。読後はあったかい気持ちになります。大好きな作品でした。
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モニター
ヒロインを取り戻す覚悟が折に触れ語られ、愛する思いも伝わってくるので、ヒロインが過去の傷に囚われていても安心して読み進められます。過去の亡霊に立ち向かう夫婦再生の過程が描かれますが、ヒーローの母をはじめ周りの人に理解と優しさがあり、ヒロインがこうした恵まれた環境の中で自分を再発見でき、自分から行動し解決する前向きな気持ちになれたのだと思います。終始一貫して気持ちにブレのないヒーローですが、別れの理由はヒロインと距離を置き過ぎた事。もし近寄って抱きしめ話し合っていたらヒロイン同様三年も無駄にしなくてすんだのにと思わずにいられません。
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モニター
「妻がどれだけ夫を愛しているか」より「夫がいかに深く妻を慈しみ愛しているか」が描かれている作品だと思う。目の前の恐怖に気圧され、真実が待つ扉を開けることができなかった過去。これは私たちにも教訓となるだろう。
ニュージーランド生まれ。想像力豊かな、読書を愛する子供だった。秘書学校を卒業後、友人と船で対岸のオーストラリアに渡り、働いてためたお金で車を買って大陸横断の旅をした。その旅先でイタリア人男性と知り合い結婚。もっとも尊敬する作家はノーラ・ロバーツだという。