ハーレクイン・シリーズ
さよならは甘く
デモ行進を先導するヘレンの胸は高揚感でいっぱいだった。大型コーヒーショップが進出したら、界隈の雰囲気が壊れてしまう。それに、ダブリーズとかいう名前のオーナーは金の亡者に違いない。彼が店を出す場所では、必ずライバル店がおかしな災難に遭うから。私の小さなカフェなんか、あっという間につぶされてしまうわ。負けるものですか。通りすがりの人々も応援してくれているようだ。たとえば今、隣に来て看板を持ってくれたすてきな男性も。「僕が喜んで助けになるよ。よかったら夕食をどう?」まあ! 彼が興味を持ったのは、デモじゃなくて私だったのね。「よろしく、ヘレン。僕はルーク。ルーク・ダブリーズだ」
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- 頁数
- 224頁 / 新書判
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- 発行日
- 2005年03月20日
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- 著者
- パトリシア・ローズムーア
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- 訳者
- 駒月雅子
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- 定価
- 759円(税込)
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- ISBN
- 4-596-33020-4
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- 書籍番号
- BZ-20
ロマンティック・サスペンスを得意とする作者らしい、揺れる女心と危険な謎が絡んだストーリーです。