ハーレクイン・シリーズ
キャンピオン伯爵家の息子レイノルド・ディ・バラは、次々に結婚する兄たちから逃げるように城を出ていく決意をした。だが、結婚を“呪い”のように恐れているわけではない。どれほど望んでも、足の悪い自分には叶わぬ望みなのだから。密かに旅立つ朝、レイノルドは親類の老姉妹から妙な予言をされる。あなたはドラゴンを退治し、窮地に陥った乙女を救う運命だ、と。一笑に付したものの、人けのない不気味な村に辿り着いたとき、金色の髪の美しい女性に声をかけられ、レイノルドは耳を疑った。彼女は窮地に陥った乙女で、ドラゴンを倒してほしい、と告げたのだ。そんな話はあるはずもない。だが騎士として放ってはおけず……。
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- 頁数
- 256頁 / 新書判
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- 発行日
- 2011年08月05日
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- 著者
- デボラ・シモンズ
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- 訳者
- すずきいづみ
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- 定価
- 901円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2011年07月21日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-33120-5
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- 書籍番号
- PHS-20
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モニター
ディ・バラ家の兄弟についての他の作品を読んだことがあり、今回はレイノルドの話で面白かったです。レイノルドは自分の足の悪さ故に自分を卑下してなかなか素直になれず、兄弟にも心を明かさない。ドラゴンを倒して欲しいと告げたザビーナには特別な思いを感じるが、自分の気持ちに素直になれず、ザビーナの頭がおかしいと思い込み、また彼女に迷惑がかかると思い込む。普段はヒストリカルはあまり読まないが面白い作品でした。
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モニター
一言でいうと「愛しい人に早く包まれたい! ずっと包まれたい!」と欲求してしまう作品です。恋愛感情に対する言葉の表現は少ないものの、相手が欲しい気持ちが伝わってきます。男らしい寡黙な騎士のヒーローは、過去の経験から気持ちのブレーキが強いですね。でも、ヒロインも負けず劣らずです。だからこそ、「目に見える現状」はもちろんのこと「自分自身しか見えない精神的なもの」に対する安息の地(誰か)を自然と求めてしまうのは共感してしまいます。
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モニター
ディ・バラ家の六男レイノルドが主人公に取り上げられているファン期待の新作です。城を出て行く決心をしたレイノルドは伯母から予言された通り、美しい女性サビーナに出会い、彼女をドラゴンから救うために奮闘します。それぞれのシーンについての描写を楽しむために原作を読んでみたいと思いました。想像の世界を広げて楽しく読んで下さい。
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モニター
面白かったです。心の中に闇を抱えるヒーローとヒロイン。お互い惹かれながらも自分に自信がないので思いを伝えられず、最後までヤキモキしました。ラストは今までの出来事の詳細が丁寧に書かれていたので、すっきりと読み終えることが出来ました。でもこの本はシリーズの6冊目らしく、最初は人間関係などがつかみにくいので、他の5冊も併せて読めばさらに面白くなるのではと思いました。
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モニター
心に傷を持つ騎士レイノルドが、サビーナに出会い、その傷を克服していくところ、また、どんなことにもくじけず頑張っていくところに勇気をもらえました。従者のペレグリンが、いい味をだしていて、良かったです。脇役が魅力的だと話が面白くて好きです。
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モニター
騎士のレイノルドが、「ドラゴンを退治して乙女を救う」という予言に従い、乙女を救うという冒険小説と、騎士と乙女は、お互い惹かれ合うという恋愛小説の二つがひとつの作品で楽しめます。ヒストリカルは初めてでしたが、ぐいぐい引き込まれ、一気に読めました。
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モニター
7人のうちで、唯一生まれながらに他と違うハンディを負わされたことで心に暗闇を抱えているレイノルド。彼の登場人物に対する口調や態度は、猜疑心もあり、一見冷ややかで感情を押し隠す事にたけ、心の底の葛藤や闇ゆえに事あるごとによく物思いにふける場面が多かった。その反面律儀で情熱が潜む高潔な騎士として生きる姿に魅せられました。
ほとんど感情を表に出さないレイノルドが、兄弟に対して初めて自分の長年の不満をぶちまけるシーンには何か殻を破る兆しを感じました。その様子に困惑したり、たしなめたり、またはのけぞって笑ったり、意味ありげに視線を投げかけたりする兄弟。それぞれが完璧で健全と思われた家族は、それぞれに何かしらの問題や不調を抱えていることを知り、それまでのレイノルドの陰鬱な思いは、単なる誤解や卑下からきていたもので、自分にもっと誇りを持つべきなのかと兄弟と話すことにより悟ります。
この兄弟との会話は最後に残ったニコラスの冒険に繋がるものを感じました。それまでの作品のエピソードがあちこちにちりばめられていて、もう一度全部読み返してみようかと思いました。
日本では『狼を愛した姫君』(HS-14)でデビュー以来、ナンバーワンの人気を誇る作家。ディ・バラ家やド・レーシ家の面々を主人公に据えた中世の物語と、華やかなイギリス摂政期(十九世紀初頭)の物語を描き分ける。「どの作品もそれぞれ個性の際立ったものに仕上がるよう心がけている」と語る。夫と息子二人、猫二匹と迷い犬とともに、米オハイオ州に在住。