ハーレクイン・シリーズ
愛されたくてついた嘘
あなたの前から立ち去ったあの日、もう二度と会うことはないと思っていた。
ローアンは、ホテルのロビーで弁護士を待っていた。夫の元にいる息子と面会できないか相談するためだ。じつは彼女は二年前、出産直後に病院から黙って姿を消していた。妻や母になる心の準備ができていないという置き手紙だけを残し、本当の理由は告げないままに。なぜならローアンと夫イサンドロの結婚は契約結婚で、もし真実を明かせば、契約に反すると思われただろうから。そのとき小さな男の子がロビーを駆けてきて、彼女の足元で転んだ。背後から父親らしき男性が現れる。まさか、そんな!顔を上げると、そこには氷のように冷たいイサンドロの目があった。
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2011年06月20日
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- 著者
- アビー・グリーン
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- 訳者
- 高山恵
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- 定価
- 723円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2011年06月09日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-12627-6
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- 書籍番号
- R-2627
読者レビュー
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まみー
私も母なのでヒロインの気持ちが痛いほどわかります。ヒロインを金目当てと言い続けるヒーローには幻滅ばかりです。初めから事業拡大の為の結婚と割り切るヒーローの方がある意味金目当てだと思うし、二言目にはそれを繰り返すヒーローの発想のお粗末さが哀れです。人を愛して無力になる事を恐れる為にヒロインを傷つけてばかりのヒーローに対し、愛する我が子の側に居る為にどんな苦痛にも耐えるヒロインの強さが光ります。二年の空白はヒロインをより強くし、ヒーローの心をより狭くしたようです。
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ハーレクインの作品のなかでこの話が一番好きです。私も一児の母ですが、ヒーローの気持ちもわかってしまいます……。ハーレクインでは定番の「政略結婚」ですが、何の先触れもなく突然妻が失踪すればどれほどか傷ついただろうし、いくら経済的に裕福でもシングルファーザーとして不安の連続だったことでしょう。私には、誰も悪くないと思えるお話です。何度読んでもラストでは毎回泣いてしまいます。愛するが故に空回り、すれ違ってしまう切なさが十二分に味わえる作品です。
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ロンドン生まれだが、幼少時にアイルランドに移り住む。十代のころに、祖母の愛読していたハーレクインのロマンス小説に夢中になり、宿題を早急に片づけて読書する時間を捻出していた。短編映画のアシスタント・ディレクターという職を得るが、多忙な毎日の中でもハーレクインの小説への熱はますます募り、ある日辞職して、小説を書きはじめた。