傲慢な父親によって人生を翻弄されるヒロインとその父親によって巻き込まれたヒーロー。唯一感謝できるのは二人を引き合わせてくれたこと。力強く頼りがいのあるヒーローの何ともいえない魅力に勝手に理想像を作り上げてしまうほどでしたが、純粋で自分に自信を持てないヒロインが自分の恋心に気づき奮闘している姿に、もどかしいような、それでいて理解できるような思いでした。初恋の頃の切ない感じを思い出しました。

包容力のある男性の王道をいくヒーローのネーサン。裏切られた直後でも、ヒロインに優しくできるその強さには感動。愛を信じることに疑心暗鬼になっているヒロインのフェリックスがネーサンに再会し、かわっていきます!　ネーサンのような恋人が私の側にいてほしい～!

二人は契約結婚だけど、お互いに愛しているのになかなか進展しないのでうずうずというか、まどろっこしくなってしまいます。早くくっつけばいいのに!と思ってしまいます。またフェリックスの上司ヘンリーの深い思いやりに感動してしまいました。「イマージュ」というより「ロマンス」でもいけると思います!

横暴な父の影響で男性を信じられないフェリックス。8年前そんな父の悪企みで出会った戸籍上の夫ネーサンとの偶然の再会。そんな2人の切ない一週間の恋のお話です。

家族の縁は切りたくても切れないということが解らないではないのですが、ヒロインは横暴な父親にいつまでも良いようにされていてイライラしてしまいました。でも母親を愛していたヘンリーが出てきてほんのりとロマンス色が出てきたのが救いです。ヘンリーがヒーローだったらすごく良かったのにと勝手な想像をしてしまいました。足長おじさん的なヘンリーがかっこよくて素敵です。

形式だけの結婚から8年ぶりに再会してフェリックスとネーサンがお互いに惹かれあっていきます。フェリックスはなかなか心を開けない。そこに自己中心的で独裁的な父親の存在。こんな父の言葉をまだ信じるのかとさけびたくなります。真の愛情とは何かを考えさせられる感動的な1冊だと思います。

いつもならヒーローがヒロインを追いかけて行き、これまでの誤解を解くべく切々と思いを告げるラストとなりますが、今回はヒロインがヒーローの元へと駆けつけます。ちょっと新鮮でした。