ハーレクイン・シリーズ
いつわりと純真
本当はずっと好きだった。三年前のあの瞬間から。
助手席に座るスティーブの強烈な魅力を感じながら、アンリースはなんとか車の運転に集中しようとしていた。この旅の目的は誰にも教えていない――親友のシンディにさえも。心配したシンディは自分の兄を無理やり長旅に同行させた。その親切がどれほど私の心をかき乱すか知りもせずに……。不意にタイヤがパンクした。スペアのタイヤがないと知り、スティーブはボンネットに両手をたたきつけて嘲った。「車の点検もしないで千七百キロも運転するつもりだったのか。なのに香水をつけるのは忘れなかったんだろう、お嬢さま?」そしてふたりは、熱く気づまりな一夜を過ごすはめになり……。
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- 頁数
- 192頁 / 新書判
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- 発行日
- 2010年10月05日
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- 著者
- アン・オリバー
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- 訳者
- 長田乃莉子
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- 定価
- 755円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-51407-3
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- 書籍番号
- D-1407
読者レビュー
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よしも
「ホロスコープに導かれ」のアビーとは全く違うヒロインアンリースでしたが、その弱さや純粋さに私はちょっと引かれてしまいました。だめなところばかりで自分からは動けないって普通ですよね。アビーのような自由な性格よりも私はアンリースの方が身近に感じたせいかそんな二人の不器用さがとてもすきでした。
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オーストラリアの作家。幼少期からパプアニューギニアやマレーシア、香港などを転々とし、今も旅行が大好き。教員免許を持ち、キルトの腕前もプロ並みだが、家族の歴史について書き始めたことが小説家へ転向するきっかけとなった。生まれたときから住んでいる南オーストラリアのアデレードはマウント・ロフティやビーチに囲まれた美しい町で、家族と犬と猫一匹ずつと暮らしている。