ハーレクイン・シリーズ
甘い眠りに落ちて
その男は傲慢で無礼で高飛車で、罪深いほどセクシーだった。
「申し訳ありませんが、ここはプライベートビーチです」不審者の姿が月明かりに照らされ、ローンは目を見開いた。波打ち際に立つ男は全裸で、しかも彫像のように美しかった。男はローンの警告を意に介さず、浜辺から悠々と歩み去った。翌朝、ローンは大富豪である雇主の邸宅で男と再会する。男の正体は、十二年前に家を出た放蕩息子のアダムだった。その日からアダムは言葉巧みにローンを誘惑し、愛情の介在しない束の間の関係を結ぶことを提案する。強烈な魅力に屈してついにその申し出を受け入れたとき、ローンはすでにアダムを愛しはじめていた。決して報われることはないと知りながら。
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- 頁数
- 192頁 / 新書判
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- 発行日
- 2010年09月20日
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- 著者
- トリッシュ・ワイリー
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- 訳者
- 神鳥奈穂子
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- 定価
- 755円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-51404-2
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- 書籍番号
- D-1404
生まれ育った地、北アイルランドをこよなく愛し、馬や犬とともに暮らしている。少女時代、初めて書いた物語が学校の教師に評価された。十代の初めにはロマンス小説の作家になる決意をする。音楽業界で働き、馬の調教師として活躍する一方で、夢を温めつづけてきた。作品の中でも、実生活においても、ユーモアのある男性が好み。海辺で風を顔に受けながら乗馬したり、ただ馬を眺めたりしていると、とても安らぐという。