ハーレクイン・シリーズ
コンピュータ・プログラマーのジョーは仕事の依頼を受け、その会社の社長との面会に赴いて思わず全身が凍りついた。マイケル・ハンター――三年間、かたときも忘れることのなかった人。三年前、妹が妊娠させられたと聞き、ジョーは相手の男性を訪ねた。その男性のいとこであるマイケルが、話をつけると約束してくれたが、翌日ジョーを訪ねてきた彼は前日とは態度を一変させ、妹をなじった。そのまま帰りかけたマイケルを追いかけ、妹は車に轢かれて即死した。事故だったとはいえ、最初に彼を信じてしまった自分が呪わしい。ジョーは憎悪に目をきらめかせながらも、なぜかわいてくる熱い思いを持てあまし、その場に立ち尽くした。
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2010年06月05日
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- 著者
- エマ・ダーシー
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- 訳者
- 田村たつ子
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- 定価
- 723円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-12500-2
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- 書籍番号
- R-2500
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モニター
エマ・ダーシーの作品は大好きで、胸ドキドキで読みました。初めての作品ということで感激です。復讐にとらわれ頑なな心を溶かすのは、ひたむきな愛だと感じました。どんな出来事でと謎解きのような心境でした。ヒロインの悲劇を克服し自立しようとする姿勢に共感し、声援を送りたいと思いました。素敵なヒーローに巡り会えて良かった。
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モニター
優秀なプログラマーのジョーは仕事の依頼主である会社社長との面会で凍りついた。マイケル・ハンターと三年ぶりの再会。妹の死に深く係りのある二人のハンター。マイケルとマーク。マイケルとは魂が触れ合ったと感じたのにそれはあまりにも儚いものだった。マイケルはマークの話を信じ、ジョーたち姉妹を断罪した。唯一の家族である妹を死に追いやった二人のハンターに仕事とはいえ毎日顔を合わせなければならなくなったジョーは再び憎しみの炎を燃え上がらせることに。憎しみを越えた先にある魂の結びつきの物語です。
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2人の目の前でヒロインの妹が死んでから3年ぶりの再会。その不幸を乗り越えヒロインを手に入れようと奮闘するヒーローと、複雑な気持ちのヒロイン。テンポが良いので意外に暗くなく一気に読めます。過去はあまりにも重くハッピーエンドはありえない、と思うくらい絶望的な中で、脇役も含めて事実を認め、誤解を解き、謝罪をし、手を貸すことで不幸を乗り越えて行く姿に感動しました。皆が幸せになって欲しいと思える大当たりの作品でした。
フランス語と英語の教師を経て、コンピュータ・プログラマーに転職。人と接するのが好きで、人と人とのつながりに興味を持っていた彼女は、やがてロマンス小説の世界に楽しみを見いだした。旅を楽しみ、その経験は作品の中に生かされている。現在はオーストラリアのニューサウスウェールズにあるカントリーハウスに住む。