ハーレクイン・シリーズ
ヘレナはモデルとして名をはせたが、虚構の世界に嫌気がさし、引退して親友だった初老のイタリア人アントニオと結婚した。結婚生活は穏やかだったが、ある日夫が突然の発作で亡くなる――ヴェネツィアにある有名なガラス工房を遺して。工房は経営状態もよくないようだが、亡き夫の唯一の遺産を守るため、ヘレナは単身ヴェネツィアに向かった。サルヴァトーレは亡き父の従弟アントニオが亡くなり、遺された工房の経営を元モデルの妻が引き継ぐと知って愕然とした。歴史ある工房は、ずっと喉から手が出るほど欲しかったものだ。美しいだけが取り柄の欲得ずくの女に渡しはしない。彼は心に誓った。
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2010年05月05日
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- 著者
- ルーシー・ゴードン
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- 訳者
- 飛川あゆみ
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- 定価
- 723円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-12490-6
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- 書籍番号
- R-2490
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モニター
美人だけどどこか冷めているヒロインと、今まで何でも思い通りにやってきた傲慢なヒーローのお話。情熱的な展開なのですが、恋愛初心者の二人のせいかストーリー全体にピュアさがあります。二人の駆け引きとテンポの良い会話は読んでいて面白く、トラウマを抱えた二人が最後に結ばれるシーンにはほろりときました。また、ヴェネツィアの情景・景色の描写も巧みに織り込まれていて作品に深みを出しており、それだけでも一見の価値ありです!
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モニター
いきなりサルヴァトーレの強い憎しみのこもった悪態。ギョッとしますが、その後のストーリーの展開が早くあっという間に読み終わりました。サルヴァトーレとヘレナの駆け引きは気持ちよいほどでした。「虐げられたヒロイン」ではなく自立していて、実際に資産家でもあるからこそ、あくの強いヒーローに立ち向かえたのかもしれません。読後はなぜか、気持ちが軽くなった気がします。
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モニター
ヴェネツィアが大好きな上、物語の重要なアイテムがヴェネツアグラスなので、読む前から期待大でした。ガラスの彫像のような完璧な二人が、炉の炎のような熱い情熱を戦わせる、ホットなお話です。個人的には、サルヴァトーレがもう少し「俺様」でもいいですね。ルーシーは初めて読む作家でしたが、全体的にストレスも溜まらず楽しく読めたので、次からはチェックしていこうと思いました。
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モニター
元モデルの美しい未亡人ヘレナとヘレナに遺されたガラス工房を一族の手に、正当な持ち主の手に戻そうとするサルヴァトーレ。ヘレナは二年という短い間だったが年上の夫とともに幸せな時を過ごしていたが、それは突然終わりを告げてしまう。夫のアントニオの遺産であるガラス工房を守るためヴェネツィアへ。サルヴァトーレは本来は自分の物であるべきはずのガラス工房を金目当ての未亡人から奪うと心に決めていた。実際に会ったヘレナは美しく魅惑的でまさに彼が思い描いていた悪女そのもののように思われたが意外にも二人は似たもの同士。ビジネスと恋の駆け引き。互いに引けを取らない好敵手。そんな二人が心を開いてゆく過程は周囲の思惑もあり複雑に絡まってしまいますが、それらがすべて解けたときは心に沁みました。二人の戦いぶりも面白いですがヴェネツィアの歴史にも触れられます。
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モニター
知的で度胸のあるヒロインがヒーローに挑み、一歩も引かないところが小気味いい! 大人の男女のウィットに富む軽快な会話は、読んでいてとても面白いです。読み進むと、過去の重大なトラウマがネックとなり、なかなか心が通い合わない状態にやきもきしました。残るページも少なくなり、このまま終わってしまうの?と心配になりましたが、ヒーローの大胆な行動にはびっくりさせられました。
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その美しい外見と元モデルという華やかさから、亡き夫の親戚サルヴァトーレに「男を意のままにあやつる毒婦」と偏見を持たれてしまうヘレナ。ビジネスで火花を散らすうち、お互いに強く魅かれあっていきます。無垢な心を隠して本音を探り合う二人。ヴェネツィアの風景と繊細なムラーノガラスを織り込みながら、二人の駆け引きもヴェネツィアの運河のように複雑に入り組み、運命を感じさせるラストまで一気に読み進みました。
雑誌記者として書くことを学び、ウォーレン・ベイティやリチャード・チェンバレン、ロジャー・ムーア、アレック・ギネス、ジョン・ギールグッドなど、世界の著名な男性たちにインタビューした経験を持つ。ヴェネチアでの休暇中、街で出会った地元の男性と結婚。会って二日で婚約し、結婚して三十年になる。二人は三匹の犬とともにイングランド中部に暮らしている。全米ロマンス作家協会(RWA)が主催するRITA賞で二度の受賞を誇る実力作家。