ハーレクイン・シリーズ
あの夜に戻れたら
二人の再会に喜びはなかった。あるのは疑念と憎しみ、そして渇望……。
世界中で一番会いたくなかった男性が、いま目の前にいる。モンテベラッテのプリンセス、マリエッタは顔を背けた。ヤニス・マーキデス――辣腕の金融アドバイザーだ。彼に恋をしていたマリエッタは、十六歳のとき、彼の誕生日に純潔を捧げようと彼の寝室に忍びこんだ。だが思わぬ拒絶に遭い、マリエッタはひどく打ちのめされた。それから十三年の月日が経ち、彼女は兄の結婚式で彼と再会、披露宴で二人は付添人の義務としてダンスを踊ることになったのだ。「今夜、僕と愛し合い過去を水に流そう」耳元でヤニスにそうささやかれ、マリエッタの心は揺れ動いた。
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2010年04月20日
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- 著者
- トリッシュ・モーリ
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- 訳者
- 加藤由紀
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- 定価
- 723円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-12487-6
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- 書籍番号
- R-2487
読者レビュー
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モニター
まだ若く周りの状況が見えずにヒーローに拒絶されたヒロイン。その時のことが原因で辛酸をなめたヒーロー。二人がお互いを誤解したままでありながら、一緒にいざるを得ない状況下で理解を深めていく様子が、よく描かれていると思います。ハラハラ、ドキドキする展開でページをめくる手が一気に進みます。
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モニター
当初、ヤニスの激しい憎しみに驚きましたが、それは今でも失われない愛情の裏返しだと気付かされました。モンテベラッテのプリンセスのお話ですが、メインの舞台はハワイで、なんとなくリゾートを意識し想像を巡らせながら楽しく読めました。『伝説の国のプリンセス』を読んでいた私にとって、兄夫婦であるシエナとレイフの幸せな姿が所々に出てきたのも嬉しい発見でした。
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モニター
いきなり刺激的なシーンから始まり、次いで13年後の大人になったヒロイン登場。ハーレークインロマンスならではの怒涛の展開と思いながら読み進めました。ヒーロー・ヤニス、マーキデスの事情は、私の想像力では届かない、やはり、奥深いです。うっとりとしたひとときを楽しめました。
オーストラリア出身。初めて物語を作ったのは十一歳のとき。賞に応募するも、応募規定を誤ってしまい失格に。その挫折がもたらした影響は大きく、やがて彼女は会計士としての道を選ぶ。故郷アデレードからキャンベラに移り住んだとき、現在の夫と出会った。結婚し、四人の娘に恵まれ幸せな日々を送っていたが、夢をあきらめきれずもう一度小説家を目指すことに。数々の挫折を乗り越え、ついに自らの手で作家としての人生を切り開いた。今ではオーストラリアのロマンス作家協会で、副会長を務める。