ハーレクイン・シリーズ
最初は、とても楽しみなアルバイトだった。ポリーは、近くに住むサー・ロナルドが募集した、彼の手書き原稿をタイプで清書する仕事に採用され、喜んでいた。ところがその友人で、〝教授〟と呼ばれるサムの登場で、楽しいはずのアルバイトは、とたんに緊張の連続となった。サー・ロナルドが突然の病で亡くなり、サムの屋敷に住み込んで、清書を最後まで終わらせることになってしまったのだ。彼と同じ家に住み、美しい婚約者には嫉妬の目を向けられる日々に、ポリーは耐え切れず、急いで仕事を終えると屋敷をあとにした。だがサムとの再会は、新しい職場となった病院で不意に訪れた。
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2010年04月05日
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- 著者
- ベティ・ニールズ
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- 訳者
- 神鳥奈穂子
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- 定価
- 723円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-22089-9
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- 書籍番号
- I-2089
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モニター
この作品の魅力は、サムのポリーに対する静かにも深い愛情です。サムの何気ない仕草や言葉の端々にポリーへの強い愛が感じられ、心打たれます!! ヒロインも性格も気立ても良いがんばり屋さんで好感が持てますし、ストーリー展開が穏やかなので心癒されます。ベティ・ニールズの作品は全般にホットなシーンはあまりないのですが、丁寧な描写と作品全体にある“奥ゆかしさ”みたいなものが、正に日本人向けと言えるかも知れません。
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モニター
いつも彼女の作品は特にドラマチックなストーリーではなく、ヒロイン、ヒーローもとてつもなく個性的というわけではありませんが、本当に癒されます。この作品のヒロインもどこにでもいる普通の家庭の普通の女の子。国が違っても私たちに共通するものがあるのではないかしら。看護の道を進もうと頑張っているポリーと、医師であり教授でもあるサム。彼への思いは一目ぼれなどというドラマチックなものではなく、本当に花に水をやるようにじわじわと心にしみてくるように、気がつけば恋をしているポリー。なんといじらしくかわいいのでしょう。でも、少しだけ気になることが・・・本当に看護実習生は教授と直接口を訊いたらいけないのでしょうか? それともこれは一昔前のことなのかしら?
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モニター
恋って素晴らしい! 読んだ後、自分の初恋が懐かしく感じられる作品です。ヒロインが恋心に気付くまでのプロセスや葛藤が丁寧に書かれています。全体的に穏やかな流れの中で、ヒーローの意味深な一言や絶妙なボディータッチがドキドキさせてくれました! そして一番のお気に入りはヒロインの家族! あの愛すべき家族があってこそのヒロインで、その温かさが作品全体を包み込んでいます。
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モニター
努力家で清純なヒロインと年の離れた魅力的な男性の組み合わせは、私の大好きなパターンです。作家がベティということもあり、銀幕の恋愛映画のように淡々と終わるかと思いきや、なかなか活動的に話が展開しておもしろい本でした。ヒーローとの誤解もあり、落ち込み悩むヒロイン。しかし、ポリーが内にこもらず行動的なので良いです。ポリーにシンクロしてハンカチが必要だったりして、読後は堪能したなぁという感じです。この本は本当にお薦めです。
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モニター
小児外科医の教授ことサムと、語学が堪能な看護実習生のポリーの物語。ベティ・ニールズの作品らしいお話です。美しい双子の姉にコンプレックスを持ち、自分に自信のないポリー。サムとの出会いはそんな自分を見つめ直し変わろうとするきっかけになります。10歳以上年上のサムは、常に冷静で言葉では何も言わないし、自分の中では気持ちが固まっていて、時折見せる親密な態度にポリーは困惑するばかり。二人の恋の行方はじれったいくらい。激しい恋がお好みの方には少し物足りないかも。
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モニター
知的で心やさしい女性ポリーと、思いがけなく出会ったサムとのラブストーリー。会えばいつも不機嫌な彼にとまどい、嫌われているとさえ感じているのに、いつの間にか愛しい気持ちが生まれていく。ホットなラブシーンこそありませんが、おだやかな優しい気持ちになれる作品ではないでしょうか。最近は熱いストーリーを読んでいた自分ですが、昔ながらのハーレクインというのでしょうか・・甘酸っぱい恋心を感じがした気がします。
イギリス南西部のデボン州で子供時代と青春時代を過ごした後、看護師および助産師としての教育を受けた。戦争中に従軍看護師として働いていたとき、オランダ人の男性と知り合って結婚。以後十四年間、夫の故郷オランダに住み、ベティは看護師、夫は病院事務と、ともに病院で働いた。イギリスに戻って看護師の仕事を退いた後、よいロマンス小説がないことを嘆く女性の声を地元の図書館で耳にし、自ら執筆を決意した。1969年、「赤毛のアデレイド」を発表して作家活動に入る。穏やかで静かなロマンス、その優しい作風が多くのファンを魅了した。2001年6月、惜しまれつつ永遠の眠りについた。彼女が生みだした作品は百三十以上にも及んでいる。好きな映画は『逢いびき』(英1945年)、尊敬する人物はウィンストン・チャーチルだったという。