ハーレクイン・シリーズ
砂漠の国カリスタで、エレニは夕日が沈む地平線を眺めていた。いつもは横暴な父親も、今日はひどく上機嫌だった。これから高貴な身分の客人が来て、夜を過ごすからだ。エレニが酔った父親のたわごとだろうと思っていると、美しい馬を駆って、たくましい男性が突如彼女の前に現れた。プリンス・カリクは、みすぼらしいあばら家を見まわした。ぜひとも欲しいものがなければ、こんな場所には来なかったのに。だが彼は、飲み物を差し出すエレニの目を見てひどく驚いた。カリスタの伝説にうたわれる緑の目を持つ女が実在しているとは。プレイボーイとして名高い彼の心は、いつになく揺さぶられた。
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2010年03月20日
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- 著者
- シャロン・ケンドリック
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- 訳者
- 水月遙
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- 定価
- 723円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-12476-0
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- 書籍番号
- R-2476
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- ミニシリーズ
- ダイヤモンドの迷宮
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モニター
純潔を捧げた直後に愛など無いと切り捨てられたヒロイン。その時に傷つきながらも、関係が終わった後に自分を求めて苦しむようにしてやりたいと決意した強さには感服です。それでもやはり愛されないことに傷つく姿には涙が出ました。ヒーローの傲慢すぎるシークっぷりは腹立たしささえ感じる程でしたが、そんなヒーローが愛に気づく場面は最高です!ヒロインが欧米ではなく生粋のカリスタの女性というのも珍しくて良かったです。
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モニター
ストーリーの冒頭からドキドキしました。大切にしている馬と一緒にいる時だけが幸せ、という悲しいヒロインが、ゴージャスなシークと偶然出会うことになるのです。シークはプリンスなので、命令口調で本当に傲慢でしたが、読んでいくうちに段々とその印象も変わってきました。近づきつつある二人の心に、ホッとすることもできましたが、仕方ないとはいえ、大きすぎる身分の差を感じずにはいられませんでした。
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モニター
愛馬を守るために実父に売られたも同然でヒーローの厩務員として宮殿に行くことになったヒロイン。純真無垢で少し頑固なヒロインとプレイボーイで傲慢なシーク(プリンス)のヒーロー。暗い過去を持つヒーローがヒロインによって癒されて行く様子は、心温まります。また、ヒロインもヒーローと暮らすうちに父親に虐げられた世界とは、違う世界を知っていきます。世界観の違う2人が歩み寄っていく描写は、さすが、シャロン・ケンドリックだと感心しました。
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モニター
エレニが大切に育てた愛馬だけでなく、彼女も自分のものにしようともくろむカリク。プリンスだから何をしても許されると思っているの?と言いたくなるくらい尊大で傲慢!けれど、実は過去の出来事のせいで罪悪感にさいなまれていて…そんな彼に対し、身分の差を気にしつつも、自分の信念を曲げず正直に向かい合うエレニがすがすがしくて良かったです。謎のままのダイヤの行方はもちろん、カリクの兄弟たちの話も楽しみ!
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モニター
初めて結ばれた後に言われたヒーローの自分を守ろうとするがゆえの言葉に傷つきながらも、ウジウジせずに前向きに切り替えるヒロインの強さが気に入りました。
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モニター
読んだ限りでは前作とのつながりはまだはっきりしません。これから発展していきそうなお話です。シーク物は色々読みましたが、いろんな意味でここまで「本物のシーク」はいませんでした。ヒロインの純潔、無垢さがヒーローによってきわだっています。続きも楽しみです。
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モニター
ダイヤモンドの迷宮の第2作。砂漠の王子カリクと厩務員エレニの恋がメインの今作。横暴な父の元エレニにとっての唯一の慰めは愛馬のナバット。貧しい生活の中ある日エレニのすべてを変える出会いがあった。傲慢なプリンス・カリクとの出会いが。美しくも残酷なカリクは伝説にうたわれる緑の目の持ち主エレニに一瞬目を奪われるがすぐに興味を失った。にもかかわらず厩務員として彼女を連れ帰る。初めはただの退屈しのぎ、心に深い闇を抱えるカリクに寄り添い続けるエレニ。貧しい生まれの彼女は気高い心とプリンスにも臆することのない勇気を併せ持っていた。エレニの優しさはカリクの心の傷をゆっくりと癒していく。まさにシンデレラストーリーです。肝心のダイヤモンドの謎は・・・次が楽しみです。
ウエストロンドン生まれ。写真家、看護師、オーストラリアの砂漠での救急車の運転手、改装した二階建てバスで料理をしながらのヨーロッパ巡りなど、多くの職業を経験する。それでも、作家がこれまでで最高の職業だと語る。医師の夫をモデルにすることもある小説のヒーロー作りの合間に、料理や読書、観劇、アメリカのウエストコースト・ミュージック、娘や息子との会話を楽しんでいる。