ハーレクイン・シリーズ
カリッサは〈コーブ・ホテル〉のバーでピアノを弾いていた。青いドレスは彼女のブロンドを美しくひきたて、人々は流れるショパンに酔いしれているが、彼女の心は沈んでいた。さっき、婚約者にふられたのだ。ひとりには慣れてるわ、と強がってみても、後生大事にとっておいたバージンはどうすればいいのだろう。その夜最後の曲を弾き終えた彼女に、声をかけた男がいた。「ブルー・レディに一杯おごらせてくれないかな」日焼けした腕、乱れた髪……見上げたその顔には見覚えがあった。カリッサは震える指を意識しながら、ある決心をした。
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- 頁数
- 192頁 / 新書判
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- 発行日
- 2010年02月05日
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- 著者
- アン・オリバー
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- 訳者
- 霜月桂
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- 定価
- 755円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-51359-5
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- 書籍番号
- D-1359
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モニター
26歳の誕生日を前にバージンのヒロインと傷ついた心を持つヒーロー。2人は納得して一夜の恋人で終わるはずが、運命がそのままにはさせず・・・。この設定はツボでした。初邦訳の作家ですが、実力派らしく、ヒロインとヒーローの心の変化が細やかに描かれていました。期待を裏切らずに読ませてくれました。バレンタインの時期にぴったりの作品です。
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モニター
ヒロインがとても魅力的で、過去にとらわれているヒーローの心を癒していく姿がとても良かったです。
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モニター
この話は主人公の精神的な強さが伝ってくる話でした。カリッサは、いっぱい自分でも悩みがあってもベンをしっかり支えていくし、ベンもカリッサのことがとても大切に思っているのがわかりました。
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モニター
悲しい思いをしたヒロインが一夜の恋に落ちる。一夜だけのはずだったのに・・・ヒロインの心情が、豊かに描かれていて、その上、普段のディザイアシリーズより、ページも多くて、読み応えたっぷりです。
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モニター
出会って2ヶ月の間に急接近した、カリッサとベン。運命の相手に巡り合った、躍動感あふれる熱い思いが描かれています。ベンは、優しくて真直ぐで力強くて、とても魅力的でした。著者が持つ、ロマンスに対する細やかな洞察力を感じました。
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モニター
しっかり者で自立した女性のカリっサと、心に傷を負いながらもそんなヒロインを大きな包容力で見守るベン。すれ違いながらも惹かれあう二人の気持ちがまるで自分のことのように、物語に引き込まれて一気に読んでしまいました。数々の受賞もうなづける作家さんと出会えて幸運でした。
オーストラリアの作家。幼少のころからパプア・ニューギニアやマレーシア、香港などを転々とし、今も旅行が大好き。教員免許を持ち、キルトの腕前もプロ並みだが、家族の歴史について書き始めたことが小説家へ転向するきっかけとなった。生まれたときから住んでいる南オーストラリアのアデレードは、マウント・ロフティやビーチに囲まれた美しい町で、家族と犬と猫一匹ずつと暮らしている。