ハーレクイン・シリーズ
黒伯爵と罪深きワルツを
悪い伯爵のままでいて。叶わぬ恋に落ちてしまうから。
「君はそうとう変わった小娘だ。自覚はあるのかい?」伯爵に見つめられ、オリビアは逃げ出したい衝動を懸命にこらえた。物憂げな黒い瞳と漆黒の髪。危険な魅力にあふれた強烈な存在感。彼がシンフル・シンクレア――罪深きシンクレア伯爵と呼ばれるのは、名字の語呂合わせと黒い噂のせいだけではないらしい。オリビアは勇気をかき集め、ある私的な調査に行きづまったこと、その調査で先代伯爵の汚名を晴らせる可能性があることを説明した。一笑に付されながらも必死に協力を仰ぐオリビアだったが、ふいに伯爵は身をかがめ、彼女の柔らかな唇に指をすべらせた。「帰ってくれ。夜の楽しみを台無しにした償いをさせたくなる前に」
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- 頁数
- 256頁 / 新書判
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- 発行日
- 2022年11月05日
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- 著者
- ララ・テンプル
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- 訳者
- 高橋美友紀
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- 定価
- 910円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-74976-5
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- 書籍番号
- PHS-290
英国オックスフォード出身。15歳のときに古びた書店でジョージェット・ヘイヤーの小説に出合い、リージェンシー・ロマンスに夢中になる。投資やハイテク業界での仕事に携わりながら書きためていた作品を母親がハーレクインの小説コンテストに応募し、入賞。すぐに同社からリージェンシー・ロマンス5作の執筆を依頼され、作家デビューを果たす。執筆活動に協力的な夫と2人の子供たちとともに暮らしている。