ハーレクイン・シリーズ
シンデレラは孤独な夜に
彼との日々は夢のように、海の色に溶けていった。
「ぼくはアレクサンダー・ディミトリウ。きみがバルコニーから見ているのには気づいていたよ」キャサリンは慌てて否定しながら、頬が火照るのを感じていた。彼は幼い娘が邪魔をしたお詫びにと、キャサリンを食事に誘った。亡き母の故郷にほど近いギリシアの村で独り静養しているけれど、わたしがここにいるのは既婚者とデートするためではないわ!しかし、彼が妻を亡くしていると知り、互いに医師であることからともに感染症の対応にあたるうち、二人の距離は急速に近づいた。つかのまの恋でいい。わたしは幸せになれない人間だから……。そう自分に言い聞かせ、亡き妻を愛する彼にキャサリンは全てを捧げた。
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2022年06月20日
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- 著者
- アン・フレイザー
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- 訳者
- 泉智子
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- 定価
- 730円(税込)
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- ISBN
- 978-4-596-42949-0
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- 書籍番号
- I-2711
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スコットランド生まれの南アフリカ育ち。学校を卒業して、いったん両親の故郷であるスコットランド西岸の離島へ戻るが、看護師の訓練を積むために島を離れ、その後は大学に進学して英文学を専攻した。結婚して第一子を出産したあと、医師の夫と仕事をしながらアフリカの地方やオーストラリア、カナダを歴訪。かつて病院で人工授精の部署を統括していた自身の経験を活かし、自著の中でも医療現場をよく描き、夫や同僚医師の協力のもと事実確認をしたり最新情報を得たりしている。