ハーレクイン・シリーズ
一年前、アリッサは恋人のジェームズを大事故で亡くした。その追悼式に参列するため、彼女はイタリアの事故現場を訪れた。ジェームズの死以上にアリッサを苦しめたのは、彼が新たな恋人とともにこの世を去っていったという事実だった。凍りついたように現場で立ちつくす彼女の目に、一人の男性の姿が映った。漆黒の髪、優しさなど微塵も感じられない鋭い目は、あらゆるものを拒絶している。誰かが彼を「ドラーゴ」と呼ぶのを耳にして、アリッサは愕然とした。ああ、彼がドラーゴ・ディ・ルーカ……。長く閉ざされていた彼女の心の扉が、かすかに動き出した。
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2009年11月20日
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- 著者
- ルーシー・ゴードン
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- 訳者
- 南和子
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- 定価
- 723円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-22060-8
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- 書籍番号
- I-2060
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モニター
文字通りこれはフィレンツェで起きた奇跡です。男性顔負けにバリバリ仕事をこなすキャリアウーマンのアリッサ。その内面に隠された深い哀しみ。恋人の裏切りと死という辛い理由で叩きのめされて負った深い傷は固く心を閉ざす事で何とか自分を守ってきたけれど、それを溶かす事ができたのは、やはり同じ境遇の男性だったのですね。この二人の出会いと、その後の経過は,じれったくもドキドキです。
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モニター
悲しみにくれるヒロインであるアリッサがどんどん同じ境遇の男性に惹かれていく様に共感してしまいました!
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モニター
信頼する人に裏切られたアリッサとドラーゴがどん底の精神状態の中から時間をかけて再生しているストーリーに、心の奥からじんわりと暖かくなりました。何度も離れても、住む場所も違っていても心は通じ合うものなのだと、感じました。
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モニター
恋人に新しい恋人ができて裏切られるなんてそんな辛いことはないし、私だったらその不貞を周りの人みんなに訴えてしまいたくなると思うのに、アリッサは許す心によって自分も、そして周りの人の呪縛も解いていきます。前半の苦しさ辛さを乗り越えて、幸せになる彼女を見て自分の気持ちも軽くなって周りの人に優しくなろうという気になりました。クリスマスという「許しの日」にピッタリな小説。
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モニター
ヒロインのアリッサは恋人を事故で失いますが、その影に手ひどい裏切りの事実があります。彼女を癒すことが出来るのは、同じ立場のヒーロー、ドラーゴだけなのです。お互いに惹かれあいながら、離れてゆく二人にもどかしさも感じますが、まさしく題名通りに奇跡が起きます。クリスマスを迎える時に読むぴったりの一冊です。
雑誌記者として書くことを学び、ウォーレン・ベイティやリチャード・チェンバレン、ロジャー・ムーア、アレック・ギネス、ジョン・ギールグッドなど、世界の著名な男性たちにインタビューした経験を持つ。ヴェネチアでの休暇中、街で出会った地元の男性と結婚。会って二日で婚約し、結婚して三十年になる。二人は三匹の犬とともにイングランド中部に暮らしている。