ハーレクイン・シリーズ
うぶな愛人
愛される喜びを教えてくれたのは決して愛してはいけない人だった。
レティシアは母親の庇護から逃れ、自立して暮らしてきた。女性は結婚がすべてと考える母親への反発心から、恋愛の経験はない。だが実は、レティシアには秘密の顔――大胆な男女の描写で知られる恋愛小説家という顔があった。ある日、友人の城を訪ねたレティシアは中で迷ってしまい、偶然通りかかったシートン・レイン卿に助けてもらう。レイン卿は、レティシアの妹の花婿候補と噂される次期侯爵で、いつもなにかと彼女にあざけりの目を向けてくる男性だ。まるで、男性を知らないレティシアをからかうかのように。しかし次の瞬間、相変わらず皮肉の笑みを浮かべた彼に唇を奪われ、レティシアは思いもかけなかったほど恍惚となった。
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- 頁数
- 288頁 / 新書判
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- 発行日
- 2009年11月05日
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- 著者
- ジュリエット・ランドン
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- 訳者
- 鈴木たえ子
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- 定価
- 954円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-32381-1
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- 書籍番号
- HS-381
読者レビュー
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ヒロインはできのいい「長女」の典型。それゆえ、母娘の関係も微妙。しっかりしてるけれど、なんだか支えてあげたくなっちゃう、そんなエピソードの積み重ねが期待通り。ヒロインのもう一つの顔が楽しいし、J.オースティンなど、実在の著名人がからむのも豪華。
イギリス北部の古代の面影を残す村に、引退した科学者の夫とともに住む。刺繍について豊富な知識と技術を身につけ、その腕前はプロとして講師を務めるほど。美術や歴史に対する興味も旺盛な彼女は、豊かな想像力を生かす、ヒストリカル小説の作家を職業に選んだ。作品を執筆するために調べ物をするのはとても楽しいという。中世初期が特にお気に入りの時代で、女性のしきたりや男の世界で強く生き抜く女性について知ることは、この上ない楽しみとなっている。