ハーレクイン・シリーズ
聖女陥落
「きみの土曜日の夜の習慣を教えてくれ。不道徳な習慣を」「毎週土曜日の夜、マスターベーションするわ」目を伏せて答えると、マルコが、目を細めてわたしをじっと見つめる。脚の間がしっとりと濡れるのを感じる。立ち上がって、黒いレースのショーツをおろし、わたしが脚を広げて見せると、マルコのうめき声がする。マルコは、コーヒーテーブルを脇へ押しやり、わたしの両脚を肩にかけ、手を押しのけると、舌をリズミカルに動かして花の蕾を舐めたり吸ったりしながら、皿の上にあったピクルスに手を伸ばし、わたしの奥深くへ挿入し始めた。手からこぼれ落ちたラベンダー色の革製ノートパッド──わたしの成功の象徴──が転がっていき、彼の屋敷のプールの底へ沈んでいく……。昨夜のパーティで、謎めいたハンサムな大富豪マルコが、官能的な笑みを浮かべながら声をかけてきたのだ。“一晩だけ、僕のいいなりになれば、きみにぼくの屋敷をあげよう”と──でも、よく知らない彼に何をされるというの? もしも四肢を縛られて、鞭や鎖が出てきたら──そのときのわたしは頭がおかしくなっていたに違いない。いままで無難に生きてきたわたしなのに、知らぬ間に頷いていたのだ。完全にプールの底に沈んでいる、ノートパッド。あれはわたし? 危険に飛び込んだあげく、永遠に使い物にならなくなってしまった……わたし──
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- 頁数
- 79頁
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- 発行日
- 2019年02月05日
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- 著者
- レティ・ジェイムズ
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- 訳者
- さとう史緒
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- 定価
- 330円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 9784596469649
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- 書籍番号
- DG-183
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