ハーレクイン・シリーズ
この5年というもの、オリヴィアの結婚生活は灰色だった。 公爵ガブリエルとの結婚1年目は甘く美しい思い出に彩られていたが、 長男を産んだその日に夫が別の女性の香りを漂わせて帰宅し、 彼女はショックのあまり、もう自分には指一本触れさせないと宣言した。 ところが今、そろそろ予備の跡継ぎをもうけるよう義母に急かされ、 オリヴィアは窮地に追い込まれた──あの日、女性と会っていた理由をいまだに説明しない彼に、再びわたしのベッドへ来てと言うなんて……。 意に染まないけれどこれが公爵夫人の務めと、彼女は夫に協力を求めた。 すると予想だにせぬ返答が、オリヴィアの胸を突き刺した! 「うんざりする務めだが、さっさと片づけてしまうしかないな」
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- 頁数
- 256頁 / 新書判
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- 発行日
- 2017年12月05日
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- 著者
- ローリー・ベンソン
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- 訳者
- 深山ちひろ
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- 定価
- 906円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2017年11月15日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-33272-1
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- 書籍番号
- PHS-172
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すみれ
時代背景は全く違うのに、現代にも通じる内容。義母の余計な口出し、出産時の夫への恨みなどヒロインを取り巻く状況には共感できる部分が多いです。また、怒りにまかせた夫への言動に縛られて苦しむ意固地さも人間的で惹きつけられます。しかしながら、もちろん夫婦の変化を楽しむだけの小説ではありません。すれ違いの元凶である夫の秘密が動き出し、スリル要素もたっぷり。手に汗握りました。
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モニター
永遠のテーマである男と女の思考の違いが生むトラブル。ページを捲る度になんでそうなるんだ? と何度も思いました。結末は想像できたのですが、最後に作者がどうやって話をまとめるのか期待しながら読み終えました。ヒストリカルシリーズは舞台になる国のちょっとした歴史を知ることもできるので物語以外の楽しみがあります。
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美海
王族や貴族といった華やかな登場人物たちと彼らを彩る華やかな舞台が、とても煌びやかな気分にさせてくれました! 使命ゆえにすれちがう夫婦は切なくもあり、時にコミカルなやり取りが魅力的。スカーレット・ピンパーネルを彷彿させるようなドキドキ感とロマンスたっぷりのお話でした!
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akabee
夫の不貞で長年疎遠な夫婦が、お互いの苦悩を知り、紆余曲折しながらも距離が縮まっていく様子と、摂政王太子の暗殺計画のクライマックスとがうまく並走し、スピード感と高揚感を楽しめる。妻の誤解を解くために真実を告げることが人命の代償を伴うという重圧と、心から愛する妻を失う絶望との葛藤が、意外な形で妻を巻き込み、解決するところが面白い。仏革命のイギリスへの影響も垣間見え、ストーリー構成の巧妙さも見事。
華やかな受賞歴を誇るヒストリカル作家。アメリカロマンス作家協会が優秀な新人に贈るゴールデン・ハート賞の最終選考にも残った。歴史に興味を持ち始めたのは小学校時代からで、はじめは広告のコピーライターとして文筆業をスタートさせた。余暇は博物館やアンティークショップ巡りをして過ごしている。