ハーレクイン・シリーズ
嵐が迫るなか、ずぶ濡れの娘は夜道を当てもなくさまよっていた。 寒さと疲れで事切れる寸前、通りがかりの伯爵ジョナサンに救われ、 彼女は近くの牧師館へ運ばれたが、自分の名前も出自もわからなかった。 牧師夫妻は彼女を仮に“ベス”と呼び、親戚として共に暮らし始めるが、 一部の上流階級からは怪しまれ、冷遇されてしまう。 ああ、わたしを助けてくれた優しいあの人にまた会いたい……。 自分の名前は忘れても、彼のことは一生忘れられない。 そんなベスの願いは叶うこともないまま半年が過ぎたころ、 夢にまで見たジョナサンと再会を果たすが、彼の挨拶に色を失った。 「はじめまして。自己紹介させてもらえないか?」
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- 頁数
- 256頁 / 新書判
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- 発行日
- 2017年10月05日
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- 著者
- ジョアンナ・メイトランド
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- 訳者
- 日向ひらり
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- 定価
- 906円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2017年09月21日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-33268-4
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- 書籍番号
- PHS-168
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らいが
「記憶」というキーワードに最初から最後までいい意味で振り回される、スリルと期待に満ちたロマンスでした。物語の背景に漂う歴史事情と、そして当時の社会構造の中で求め合う二人の様子は、読みながら「どうか幸せになってほしい」と願わずにはいられません。愛と優しさについても考えさせられ、読後は心地よい幸福感で胸がいっぱいでした。
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こっこママ
ヒロインの人柄も含めた魅力に虜になり欲望も感じているヒーロー。それを愛だと認めないまま、結婚に至ります。しかし結婚はゴールではなく、そこから愛が試される出来事が起こってしまうのが世の常なのですね。事件はハーレクインらしくわくわくドキドキなのですが、どの登場人物の心の動きも描写が細やかで展開にとっても納得できます。なによりハッピーエンドを引き寄せるヒロインの素直さ、優しさ、芯の強さがとても素敵です。ヒストリカル感も軽く、二人の愛の成長を感じられる作品です。
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ひるね
つらい過去を持つ伯爵の心に灯ったのは、記憶をなくしても気高く自らの品格のみで生きていく「ベス」。自分の過去に自信も責任も持てない手探りの生活と、見えない未来・・・つらいです。二人を支える牧師夫妻の優しさもほっこりしますが、先代伯爵夫人であるジョンのお母様もそれほど悪い人ではなく、後半はベスを娘のように思ってくれているのが嬉しいです。安定したストーリーなので周囲の人物描写をじっくり楽しめました。
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モニター
読みやすいストーリーで一気に読むことができました! ヒーローやヒロインの感情に私の心も揺られながら大好きなヒストリカルを満喫することができました。
生まれも育ちもスコットランドだが、成人してからはイングランド及び海外で暮らすことが多い。システムアナリスト、会計係、公務員などの職業を経験、慈善事業にも携わっていた。結婚して子どもが生まれてから物語を書くようになったが、それがやがて歴史小説を手がけるきっかけになったという。