ハーレクイン・シリーズ
“氷の伯爵”の異名をとる独身主義のダレンヴィル伯爵マグナスが、 年頃の令嬢を集めてパーティーを催し、花嫁を探すと言い出した。 会場の手伝いをすることになった家庭教師タレイア・ロビンソンは、 招待者の条件とやらを漏れ聞いて、伯爵の高慢さにあきれ返った。 血統がよく、歯が丈夫で腰の大きい、気性が穏やかな貴婦人? まるで繁殖用の雌馬を探しているかのような言い草だわ! だがパーティーが無事に終わったとき、伯爵は思いがけず、 その条件をまるで満たさない女性を花嫁に指名した。 「ミス・ロビンソン、式はできるだけ早く執り行いたい……」
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- 頁数
- 288頁 / 新書判
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- 発行日
- 2017年03月05日
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- 著者
- アン・グレイシー
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- 訳者
- 石川園枝
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- 定価
- 906円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2017年02月16日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-33255-4
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- 書籍番号
- PHS-155 (初版HS-169)
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モニター
契約上の結婚とはいえ、結婚してからお互いに恋に落ちていく気持ちや様子が生き生きと描かれているので、胸が切なくキュンとしました。特に、経験豊富であるはずの伯爵マグナスがタリーの態度に一喜一憂し怒る姿は、純情な少年の様で可愛らしかったです。アリスンさんの描いたコミックもとても良かったので、併せて読むと楽しさ倍増です。
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モニター K
氷の伯爵ことマグナスが無条件の愛情を受けたりかけたりする事を、過去の経験により諦め期待しないことで、自分を守り貴族に適応して成長していった様子や、愛情を向ける数少ない対象について描かれていたので、ただの冷たい人物ではない温かな人柄の様子が読んでいてとてもよく伝わってきました。無条件の愛情で愛し愛されたい思いを秘めたマグナスが、自分の事より守る対象を助けようとするタリーを発見し、幼い日の自分と重ねあわせて固唾をのんで見守るところは、読み応えがありました。幼い守るべき存在を慈しんで育てるタリーのような女性と、自分を飾る事と社交界にしか興味がない計算高い女性である母親の対比がよく描かれていて興味深かったです。大変な目にあっても身内を探すタリーと、危ない目にあっても密かに捜索を続けるマグナス。お互いを思いあうマグナスとタリーのとても素敵な姿に感動しました。
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モニター
『氷の伯爵『』というタイトルですが、いろいろな表情が見え、何かにつけて可愛いと思ってまったヒーロー。かなりヒロインに振り回されてました。そのヒロインは、愛情深く勇気のある女性。その2人が徐々にお互いを知り、惹かれあう姿が丹念に書かれており、時にはラブコメ風、時にはせつなく、時にはハラハラ冒険風だったりと、いろいろな感情を味わえました。
オーストラリア生まれ。スコットランド、マレーシア、ギリシアと、世界各国で過ごしてきた。英国の19世紀摂政時代に興味を持ったのは11歳のときで、果敢にも図書館でジョージェット・ヘイヤーを借りたのが、歴史ロマンス小説に接した最初の機会だった。現在は故郷オーストラリアに暮らしている。