ハーレクイン・シリーズ
“けがれを知らない娘を堕落させる美貌の放蕩公爵” 司書のジュリエットはそんな悪名高き公爵に雇われることになった。 雨露をしのぐ家もない彼女にとって住み込みの仕事はありがたく、 雇い主が噂どおりのふしだらな人物でないことを願った。 あいにくの大雨に降られながらも公爵邸に到着すると、 そこでは公爵ドミニクと貴族の友人たちが談笑しているところだった。 破れたマントを引きずり、びしょ濡れのみすぼらしい彼女の姿を見て、 友人たちは冷笑し、哀れな娘をあからさまに物笑いの種にした。 顔を真っ赤にして恥じ入るジュリエットに、公爵が追い打ちをかけた。 「女らしさのかけらもない。畑のかかしさながらだな」
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- 頁数
- 256頁 / 新書判
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- 発行日
- 2016年10月05日
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- 著者
- ヘレン・ディクソン
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- 訳者
- 長田乃莉子
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- 定価
- 906円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2016年09月17日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-33244-8
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- 書籍番号
- PHS-144
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モニター
今回、ヒーローは放蕩者ですが、ヒロインの雇い主なので、紳士で優しい。もちろん魅力的なんですが、それよりもヒロインが素敵でした。独立心旺盛で、頭のよい女性ですが、純粋で恋愛には奥手で、そのギャップがとても可愛い。そしてふたりの会話は、ヒロインがヒーローに返す言葉が小気味よく、面白かったです。芯の通った生き方をするヒロインを応援したくなります。初の作家さんでしたが、ほかの作品も読みたくなりました。
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モニター
ハンサムで放蕩の噂が絶えない公爵に雇われた司書のヒロイン。不埒な動機で口説くヒーローに対し、恋心よりも立場と尊厳を大切にするヒロインに好感が持てました。尊大で高慢なヒーローを叱咤激励する姉、ヒロインが幸せを掴むために一役買った異母兄・祖父といった脇役も良かったです。身分違い、冴えない娘の変身と二転三転するドラマティックな展開です。
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モニター
題名にある「シンデレラ物語」よりもずっと大人のしっとりとしたお話で、秋の夜長にゆっくりと読むのにお勧めの本です。皮肉屋で傲慢な公爵が、職業婦人であるヒロインを雇い、誘惑する描写はなかなか秀逸。その結果ヒロインの兄に厳しく責められて、一言も無く反省する一幕のような思わずニヤリとするシーンもあり、素敵な展開を繰り広げます。個人的には、公爵はもっと苦しんでもいいな~とは思いましたが、まあ元々ほぼ一目ぼれに近いふたりにはこの結末なのでしょう。
イングランド北東部サウス・ヨークシャーの緑豊かな土地に、30年以上連れ添う夫と共に住んでいる。自然をこよなく愛し、読書や映画鑑賞、音楽鑑賞が趣味で、とりわけオペラに目がない。時間が経つのも忘れて図書館でリサーチすることもあり、想像と史実の絶妙なバランスが、良質な物語を生み出すと語る。