ハーレクイン・シリーズ
ローラがトムと出会ったのは、ロンドンの雑踏に立つ、 古ぼけた骨董品店の前だった。ウインドーの中の、 銀の小箱に見とれていた彼女に、トムが声をかけたのだ。 以来、共通の友人を通して顔を合わせるたび、 トムが向けてくるまなざしに、ローラの胸は甘く高鳴る。 だが彼は、お金と時間と女性をもてあました15歳も年上の放蕩者。 長年別居している妻がいるのにフランス人の美しい恋人を連れている。 周りが囁くそんな噂に苦しんだローラは、彼への想いを断とうとした。 それなのに、トムはあの小箱を彼女に贈り、激しく唇を奪った。 噂を盾にこの愛を拒むことなどできないと、刻印するかのように。
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2016年09月05日
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- 著者
- パトリシア・レイク
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- 訳者
- 常藤可子
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- 定価
- 682円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2016年08月17日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-90431-7
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- 書籍番号
- K-421 (初版I-228)
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モニター
ちょっとかたくななヒロインと、大人だけど言葉の足りないヒーロー。お互い惹かれあっているけど、素直になれない。ヒロインにしたらまあ無理もないかと思いますが、もうちょっとヒーローの話を聞いてあげようよと思いました。登場人物がやたらとたばこを吸う場面があるので(ヒロインも)、時代を感じましたね。
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カヒミ
古い映画のワンシーンを思わせるようなローラとトムのやりとり。クラシカルな作品だけに二人の関係がなかなか進まずもどかしくもありますが、最近の作品にない良さがあると思います。
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天宮
シャイで恋愛経験の少ないヒロインが、セクシーな才能ある男性との恋に落ちてしまう、これはもう太刀打ちできないですね。物語自体はわりと淡々と進行しますが、周囲の脇役が効果的に絡んできて面白いです。フラットに住むロンドンライフ、自然に囲まれたスコットランドでの休暇などを思い描きながら読んだので一層楽しめました。こういう派手さはないけれどじんわりとしたときめきがある良作は、この頃の作品ならではと思います。
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モニター
物語の最初から最後までグイグイ攻める傲慢なヒーローと思いきや後半では嫉妬にかられたり実に人間臭く、とにかくヒロインに夢中! ヒロインの素直じゃない行動にヤキモキしながらちょっぴりクラッシックなロマンスが楽しめる物語でした。
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モニター
1982年の作品ということで、全体的にクラシカルな感じがする作品でした。ヒーローとヒロインが両想いなのはあきらかなのに、次から次へと問題が発生してうまくいかないのがもどかしく、ヒロインの周りにはヒーロー以外にも魅力的な男性方がいて、いっそのことそちらでもいいのに思いつつ読ませていただきました。
ハーレクインの黎明期を支えた作家。港町リバプールで生まれた。イギリスの古典文学を愛し、早くからエッセイなどを執筆。美術学校を出て、訪れたヨークシャーの田園風景に魅せられて定住。作家活動に入った。