ハーレクイン・シリーズ
愛人になるレッスン スキャンダラスな貴族たち Ⅲ
幸福なことその一、わたしは裸ではない。その二、見知らぬ男性に純潔を奪われる心配はもうない。
「助けてくださってありがとうございます」ジェシカは言った。「スタンドン伯爵だ」低く落ち着いた声になぜか安心感を覚え彼女は堰を切ったように話しはじめた。馬車を降りたとたん連れ去られ、娼館に監禁されたこと。伯爵が部屋に匿ってくれなかったら、競りにかけられていたこと……。「それなら、わたしのところに来るしかないな」ジェシカは伯爵に心を許しそうになった自分を恥じた。貴族という人種は賭事に耽り、性的に堕落しきっているものなのに。笑みを浮かべた伯爵の唇は罪深いほど官能的で、愚かだとわかっていても、その広い胸に抱かれたいと夢想してしまう。仕事を得ようとロンドンに来たはずが、とんだ事態になってしまった。
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- 頁数
- 288頁 / 新書判
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- 発行日
- 2009年09月05日
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- 著者
- ルイーズ・アレン
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- 訳者
- 石川園枝
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- 定価
- 954円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-32376-7
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- 書籍番号
- HS-376
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- ミニシリーズ
- スキャンダラスな貴族たち
読者レビュー
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物心ついたときから歴史に興味を抱いていて、八歳のときには三ページの歴史小説を書いた。地理と考古学の学位を持ち、特定の風景や場所から、小説を書くインスピレーションを得ることが多いという。とくにヴェネチアやブルゴーニュ、ギリシアの島々からはこれまでに多くのアイデアが生まれた。作品のモデルにもなる最愛の夫とベッドフォードシャーに在住。