「無敵」のマインドセット 心のブレーキを外せば、「苦手」が「得意」に変わる
脳科学と教育学を超える、スタンフォード人間成長研究の決定版!多くの「できない」「向いてない」を救ってきた名教授が、最新数学教育をもとに〈6つのステップ〉で実証。
「自分は算数脳を持ってない」と考える人は多い。早い時期に大人や教師から「あなたは理系ではない」と言われてしまう人も多い。でも、もし生まれつき何かに“向いている”人などいないとしたら? “思いこみ”こそが、成長を阻んでいるのだとしたら? それは数学だけにとどまらない。最新の脳科学研究では、脳は何歳になっても変化し成長を続けることが明らかになっている。 スタンフォード大学で数学教育の最前線を走る教授が、膨大な研究と実践をもとに、限界なき脳の成長を可能にする「無敵」のマインドセットの作り方を、〈6つのステップ〉で指南!
■「無敵」のマインドセットを作るための 〈6つのステップ〉
STEP 1
「天賦の才はない」と知る
脳は常に成長する。能力は生まれつきという固定観念から自由になろう。
STEP 2
間違えたときこそ成長のチャンス
わからなくて苦しいと感じるとき、脳はもっとも活発に動いている。
STEP 3
有害な「思いこみ」を捨てる
自己評価が上がると脳に物理的な変化が起き、学びは深まっていく。
STEP 4
多次元アプローチで新たな視点を
あらゆる思考法や解法を試し、脳神経回路に新たな接続を作ろう。
STEP 5
スピードや暗記を重視しない
深い思考で物事の「概念」を学び、脳のワーキングメモリを有効に。
STEP 6
人とつながり、考えを共有する
共同作業は脳をさらに発達させ、高次元での理解へとつながる。
■目次
序章 無限の可能性へ──6つのステップ
第1章 脳の可塑性(かそせい)が、すべてを変える
STEP1 「天賦の才はない」と知る
世界を覆す発見/勉強家のタクシー運転手/新しい神経回路の形成
可能性を阻む壁/能力別のレッテル/弱点に光を当てるアプローチ
脳の再構築/成績の良い学生/有害な教育者たち
「天賦の才」レッテルの問題/「算数脳」の落ちこぼれ
「賢さ」のものさしを捨てて
第1章のまとめ
第2章 なぜ私たちは、ミス、つまずき、失敗を愛するべきなのか?
STEP2 間違えたときこそ成長のチャンス
間違いの科学/「ミス」と「練習」の先に/復習には教科書よりテスト
間違いの価値を教える/苦労を嫌う子どもたち/つまずきと落とし穴
生徒を支えるメッセージ/失敗の見方を変えよう
ミスをチャンスに変えて/「無敵」のマインドセットの効用
第2章のまとめ
第3章 心を変えれば、現実は変わる
STEP3 有害な「思いこみ」を捨てる
思いこみと健康/思いこみと対立/思いこみと学習
「頭がいいね」ではなく「頑張ったね」/大人の役割/数学は心躍る挑戦
前を向かせるための声がけ/自分の中の異なる「マインドセット」
第3章のまとめ
第4章 つながる脳内ネットワーク
STEP4 多次元アプローチで視野を広げる
神経回路を刺激して、パフォーマンスを最大に/指を使うのは悪くない
「天才」は何が違うか?/ダイヤモンドペーパー/多次元的なアプローチ
繰り返しプリントの罪/「あなたには何が見える?」の問いかけ
教え方を変えれば子どもは変わる/教室の現実/ある数学教師の例
第4章のまとめ
第5章 「スピード」から「柔軟性」の時代へ
STEP5 スピードや暗記を重視しない
ワーキングメモリを損なうもの/算数が苦手な大人の影響
「スピード=知性」の誤り/スピードの神経科学
成功体験がすべてを変える/柔軟な思考力/数の概念の学習
「許されない」という刷りこみ/小さい数で考える
子どもが生き生きする問題/国によって異なるアプローチ
世界を変えるのは優等生ではない
第5章のまとめ
第6章 共同作業で限界を超える
STEP6 人とつながり、考えを共有する
共同作業で成績を上げる/共同作業で不平等を減らす
共同作業の力:事例 ?/共同作業の力:事例 ?/3つのアクション
共同作業を有効にする戦略/数学は「孤独な教科」ではない
第6章のまとめ
終章 「無敵」のマインドセットで生きるということ
マインドセットとアプローチを変えるための参考ウェブサイト
謝辞
参考資料
① 視覚的アプローチの例
② ルーブリック評価の例
③ マインドセットを新たにする授業の展開例
原注