フィリグリー街の時計師
ローカス賞処女長編賞候補作。 19世紀倫敦(ロンドン)と明治日本を舞台に紡ぐ奇想ミステリー その時計には、運命の歯車が組みこまれていた。
1883年ロンドン。内務省に勤める孤独な青年サニエルは、誕生日の夜、下宿部屋に見覚えのない懐中時計が置かれていることに気づく。半年後、スコットランドヤードを狙った爆破テロから間一髪、彼を救ったのは、奇妙なその時計だった。爆弾にも使われていた精緻なぜんまい仕掛け──これは偶然の一致なのか。サニエルは知人の警視の依頼で、天才時計師と名高い日本人モウリの周辺を調べだすが……。