<作品28>『薬指にこめた祈り』

薬指にこめた祈り

『薬指にこめた祈り』
著者:ベティ・ニールズ
定価:710円(税込)
ISBN:978-4-596-22322-7

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【編集部より】
激しいだけが愛じゃない。目立たず、気づかれず、密かに芽生える愛もある――素敵な年上男性のプロポーズを受け入れ結婚したけれど、夫が求めるのは友情だけ。悩めるヒロインの小さな幸せと切なさが交錯する瞬間。

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ロッテルダムを過ぎると霧雨が降りだしたが、田舎の風景は美しく、小さな村に立つ家々はまるでブリューゲルの絵から出てきたようだった。スピードを落としてアルフェン・アーン・デン・レインを走っているとき、フーゴがバードパークの話をした。

「よければ、一度夕食に行こう。近くにいいレストランがあるんだ。きっと君も気に入ると思う」

サラは熱っぽく答えた。「まあ、ぜひ行きたいわ。なにもかも、なんて興味深いのかしら!」興味深いどころではなかった。二週間以上フーゴと一緒に過ごせるのだと実感し、喜びのあまり心臓が早鐘を打っている。フーゴに手を握られ、組み合わされた二人の手が膝の上に置かれるまで、サラは自分がほほえんでいるのに気づかなかった。

「なぜほほえんでいるんだい?」フーゴが静かに尋ねた。「幸せかい?」

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