<作品17>『伯爵の恋愛交渉術』

伯爵の恋愛交渉術

『伯爵の恋愛交渉術』
著者:ミシェル・セルマー
定価:本体720円(税込)
ISBN:978-4-596-51609-1

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【編集部より】
本国で、【読者が選ぶベスト作品】にノミネートされた話題作! 言語障害のある幼い息子を抱えながらも前向きに生きるけなげなヒロインと、彼女を温かく包み込むイギリス人伯爵の“愛の魔法”とは……?

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ロウィーナは神経質になって震えながら部屋から出ると慎重に階段をおりた。ハイヒールは久しぶりなので、社交界への復帰で階段から転げ落ちて尻もちをつきたくはない。階段をおりながらコリンの姿を捜したが、見当たらなかった。

「ロウィーナ!」足が大理石の玄関広間についたとたん声をかけられ、顔をあげると父親の旧友がいた。

「こんばんは、リチャーズ下院議員」頬を差しだし、相手のキスを受けた。「ご無沙汰しております」

「父上からきみは体調がすぐれないと聞いたが」

「もう調子がよくなったので」

「妻のキャロルを覚えているかな?」リチャーズが夫人を手で示した。

「もちろんですわ」奥方と頬に軽くキスして挨拶を交わした。「お会いできてうれしいです」

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